「冷麺、じゃじゃ麺、わんこそば」。盛岡を代表するこれら三つの麺を総称したのが「盛岡三大麺」。その誕生の背景には、古くから、雑穀、穀類の加工食が発達した旧南部藩領ならではの地域性も大きくかかわっているように思える。
その誕生は昭和29年5月1日。朝鮮半島北東部・咸興(ハムン)生まれの青木輝人さんが、自身の朝鮮料理店「食道園」を開店。故郷の味を再現した冷麺をメニューとして提供したのが始まりだ。当初は幼少時代に食べていたものを忠実に再現しようとした青木さんだったが、その後、麺から蕎麦粉が抜かれ、現在のような透明な麵に。さらに、スープにも独自の工夫が加えられ、徐々に盛岡の人々に受け入れられるようになる。「食道園」では創業当時から現在に至るまで「平壌冷麺」の名称で提供。「盛岡冷麺」という名称が生まれたのは、昭和61年10月に盛岡で開かれた「日本めんサミット」がきっかけ。当初は賛否両論あったとのことだが、提供店が増え、市民に浸透するとともにその名は全国区に。各店こだわりの味を食べ比べるのも楽しい。
厳選した牛肉をふんだんに使って丁寧に仕上げた冷麺スープに、職人が作る手練りの麺。辛さだけでは無く仄かな酸味を醸し出す冷麺キムチ。辛味・酸味・塩味・甘味が絶妙に一体となった老舗の冷麺が味わえる。
東京銀座やスカイツリーなどにも出店し、盛岡冷麺のオーソリティとして知られる店。丁寧に仕上げる盛岡冷麺の他、自社栽培の韓国唐辛子とたっぷりの野菜で作る滋味あふれるソースの「ピピン冷麺」なども人気だ。
麺は北海道産馬鈴薯澱粉・小麦粉を独自の配合でブレンド。コシが強く、つるっとした食感。スープは前沢牛・仙台牛のすね肉や、丸鶏、野菜などをじっくり煮込み、上品なコクと甘みが特徴。
「ハイ、じゃんじゃん」「ハイ、どんどん」などの掛け声とともに、椀の中に一口大のそばを投げ入れてくれる。店舗により違いはあるが、「わんこそば」15杯前後で普通のそば1人前に相当。ひたすら数に挑戦するのも良し。さまざまな薬味を味わいながら自分のぺースで楽しむのも良し。「ごちそうさま」の合図は“お椀に蓋”。しかし、わずかな隙間があればお給仕のお姉さんがグイグイそばを入れ込んでくる。この熾烈な戦いを征してようやく終了となる。「わんこそば」の原型は、客人をそばでもてなす「そば振る舞い」に由来するとされ、一杯でも多くのそばを楽しんで欲しいという歓迎の気持ちの表れ。盛岡では11月に全国大会も開催される。 ※「わんこそば」は要予約の店舗もあるので、利用時は各店舗に事前に確認を
創業明治40年のわんこそばと郷土料理の老舗。岩手ならではの「おもてなし」料理であるわんこそばや、伝統のそば料理のコースが楽しめる。盛岡市内に3店舗あり、事前予約がなくてもわんこそばを食べられる。
盛岡の総鎮守として親しまれている「盛岡八幡宮」の門前に位置する老舗そば処。わんこそばはもちろん、各種そばメニュー、定食類、お膳メニューと豊富な品揃えで、さらに仕出しや宅配弁当なども提供している。
伝統と味を守り続けて100年。創業当時の本店には宮沢賢治も足繁く通い「天ぷらそばと三ツ矢サイダー」を食したという。フェザン店には、一人でも手軽に楽しめる同店限定「お試し10杯コース1,650円」もある。
うどんにも似た独特の茹で麺に、特製肉味噌、キュウリ、生姜、刻みネギをトッピング。お好みで酢やラー油、おろしニンニクなどの薬味を絡めていただく「じゃじゃ麺」。各自その食べ方にも一家言を持ち、自分スタイルを貫く。盛岡人にとっては思い入れが最も深い三大麺ともいえる。その発祥は昭和20年代後半。内丸・櫻山にある「白龍(ぱいろん)」の創業者・高階貫勝さんが元祖だ。高階さんは、戦前、満州に移住、戦後は現地での抑留を経て昭和29年帰国。現在の産ビル付近に餃子の屋台を出店。残った餃子の皮用の粉で麺を打ち、専用味噌を作り、中国で出逢った「ジャージャー麺」を再現。メニューに加えることに。その後、盛岡市内の製麺メーカーとともに専用の麺を開発。美味しさを極めてゆく。ちなみに〆の「チータン」も白龍が元祖。体調を壊した高階さんが「チータン」を飲む姿を見たお客さんにせがまれ、メニューに加えたのが始まりとか。
初代が戦前旧満州で食べた炸醤麺をもとにアレンジした味を守る店。味噌をベースにひき肉、胡麻、椎茸 その他十数種類の材料を混ぜ込んで炒めて寝かせた秘伝の味噌と、もちもちとした食感の平打ち麺が特徴。
赤味噌をベースにとろ火でじっくり静かに練りこみ、特製の秘伝のスープを足しながら寸胴でゆっくりと仕上げる特製味噌と、地元製麺会社と共同開発したオリジナル麺を使用。誰からも愛される優しい味わいが魅力だ。
岩手県産の味噌をメインにブレンドし、岩手のブランド豚「白金豚」の合い挽きで仕上げたこだわりの自家製肉味噌に、一晩寝かせて熟成させるオリジナル自家製麺を合わせた一皿が好評。
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