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OKAMI企画×生駒里奈 秋田で育てる演劇プロジェクト「あきた朗読おとぎ芝居」インタビュー

2024.05.27
(更新日:2024.05.28)

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生駒里奈、凱旋! 秋田出身の俳優たちが紡ぐ演劇プロジェクトが始動

 去る4月12日〜14日、由利本荘市文化交流館カダーレと、追加公演として発酵小路 田屋「雪の茅舎club」にて、「秋田で育てる演劇プロジェクト あきた朗読おとぎ芝居」が開催された。OKAMI企画主催の真坂雅さん、元乃木坂46で俳優の生駒里奈さん、俳優の小麦さんの秋田県出身の3人と、脚本・演出を務めた寺戸隆之さん(ノアノオモチャバコ主宰)の4人が打ち合わせを重ねて生まれた同プロジェクト。本公演に先立ち行われたゲネプロの様子と、その後行われたインタビューの様子をお届け。

左から小麦さん、生駒里奈さん、真坂雅さん。

第一弾は「辰子姫伝説」がテーマ

 プロジェクト第一弾となる今回は、「辰子姫伝説」をテーマにした朗読劇。夜中の田沢湖で出会った男女が、それぞれが捉える辰子姫伝説を語り合う。収容人数約50人の小さな舞台に置かれたのは、5脚の椅子のみ。黒と白のモノトーン衣装に身を包んだ役者5名は、声と表情のみで、観る人を物語へ引き込んだ。真坂さんは、思い悩んだ末に田沢湖に立ち寄った男を飾らず素直に演じきり、生駒さんは、愛嬌を交えながら男の話を聞く女を真っ直ぐな瞳で魅せた約1時間。鳴り止まない拍手が、本公演はもちろん、第二弾への期待を物語っていた。

シンプルなセットの舞台。5名の役者は声と表情で物語を演じた。
生駒さんのみが舞台に残るラストの演出が印象的。

3人の秋田への思いが溢れ出したインタビュー

―作品の見所を教えてください

真坂 物語性ですね。声だけで演じる朗読劇と思いきや、表情を付けてちゃんと芝居をしている。耳だけでなく、目も使って、秋田の風景を蘇らせながら物語に没入してもらえればと思います。
生駒 辰子姫伝説は、実際には今回の内容のような話ではないけれど、本当にあった出来事なんじゃないかと思えるようなリアリティがあります。昔と今を行き来するちょっとしたファンタジーな部分があって、現代を生きるみなさんが、辰子姫が生きていた時代とタイムトラベルできるのがすごく良いなと。そこに注目して観ていただけたらうれしいです。
小麦 辰子姫伝説の話を通して、もっと秋田を好きになってほしいです! ここからがスタートなので、どんな反応が見えるのかとても楽しみで。田屋さんでの追加公演や、たけや製パンさんのパンをお渡ししてのお見送りなど、協力いただいているさまざまな企業とも盛り上げていけたらと思います。

―初めて台本を読んだ時の感想は

生駒 辰子姫伝説が本当に物語として語り継がれているなと。脚本の寺戸さんが良いところをピックアップしてくれました。現代と辰子姫の時代を行き来するから複雑化するかと思いきや、身近に感じられる作品になっています。
真坂 自分は役である男の目線で読みました。思い悩んだ男が立ち寄る場所が故郷・秋田で、秋田が好きというところが…僕も秋田が好きだから、「秋田で演劇をやりたい」その想いにマッチしているなと。故郷で勇気をもらって、男がまた新たな一歩を踏み出せそうな物語で、僕自身へのエールのような形で台本をいただいたと感じています。
小麦 最後の方で、女が男に向かって「近くにそういう存在(自分を想ってくれる人)がいるかもしれないですよ」という台詞があるのですが、本当にそうだなと。自分が気付いていないだけで、実は周りの人に助けられている。支えてくれる人がたくさんいる。もっとそこに目を向けなきゃと思わせてくれました。
生駒 秋田で思い悩んでいる少年少女に響いてほしいですね。

ー今回、3人でタッグを組むことになった経緯や、公演に至るまでの流れを改めて教えてください

生駒 昨年、東京で舞台をしていた時に、偶然真坂さんと小麦ちゃんも近くの劇場で公演していて、私からDMを送るところから始まり…。
真坂 それから3人で会うようになって。ある時みんなで食事に行った時、僕はすごくお酒を飲んでいて(笑)。生駒ちゃん、小麦ちゃんの2人と秋田で演劇ができたら最高だろうなと思いながら、長々と語った後にお酒の力を借りて「(舞台に)出てください!」と言ってみたら、2人とも「もちろん」と快諾してくれて。良かった、俺1人じゃなかったなと。
生駒 トントン拍子に話が進んで、「どういう演劇がやりたいか」という素材出しをしていた時に、私が、秋田の伝承やおとぎ話を元に現代をつなげて語る読み聞かせの案を出して。幼稚園の時に読んだ「八郎」の絵本が好きで、八郎とか辰子姫伝説とか、そういった伝承を演目に落とし込めないかという話から、今回のような形に。とにかくスピード感がすごくて、第一弾がこんなに早くできるとは思わなかったです。勢いを落とさず、いろんな形でやっていきたい!
真坂 秋田はいろいろな場所があるので、風景も楽しめるような場所を探してやっていきたい。
生駒 目指せ、(高橋優さんの)キャラバンフェス・演劇バージョン!…今初めて、勝手に言いました(笑)。皆さんから「こういう伝承もある」というのを募集したり、夏に怖い話もやりたい! 夢は膨らむばかりですが、私はまず、今回の辰子姫伝説の物語を、絶対に田沢湖で再演したいという目標があります。

ー公演に向けて、苦労したことやうれしかったことなどはありますか

真坂 今回、僕は初めて、協賛を募って回りました。普段は東京にいるから、秋田の企業にコネクションがあるわけでもないので、手当たり次第に「お願いします」と送って…。たくさんの企業さんが協賛してくれることになって、お金もありがたいけれど、「秋田で芝居をやる」ということに対して応援してくれたことが、本当にうれしかったです。
生駒 苦労はないけれど、この期間3つの仕事を掛け持ちしていたから、単純にスケジュールが忙しかった…! 私は個人的に、俳優として地元に貢献するということをスタートできたのかなと実感しました。今まで「アイドル」という見られ方をしてきて、秋田の皆さんは私に遠慮されていた部分があったかもしれないですけど、「全然そんなことないよー!」というのを、今回を通して知ってもらえたと思います。これからも秋田でいろいろ活動したいので、楽しいことをぜひ一緒にやっていきませんか、という気持ちです。
小麦 私も忙しさはあったけれど、それ以上に楽しいこと、うれしいことがたくさんあって…。ポスター撮影で由利本荘に来たじゃないですか。それがすごく楽しかった!
生駒 正月の帰省のタイミングに、「今しかない!」と。近所のお店で半纏を現地調達して、子吉川の河川敷で写真を撮って…楽しかったね。小麦ちゃんは秋田市出身だけど、真坂さんと私からしたら、見慣れすぎている場所を画にするのはすごく新鮮でした。東京に居れば居るほど、本荘は癒やしがすごいなと思っていて。もう、この田舎の風景がないと、心が壊れてしまう…(笑)。もっと魅力を知ってもらって、若い子が「秋田がいいな」と思えるように、私も活動していきたいです。

大盛況で終えた「秋田で育てる演劇プロジェクト あきた朗読おとぎ芝居」の第一弾。今後の展開に注目を!

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